3.スピリチュアルケアの重要性

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3.スピリチュアルケアの重要性





 赦しのない因果論的発想に基づく援助は、病んでいる者とその家族を更に苦しめ、傷つけることになります。そこで平山氏は、これまでの原因探しの支援方法ではなく、スピリチュアルケアと言うこれまでとは異なる方法を導入することを提案します。平山氏は次のように説明いたします。「このような治療方法(スピリチュアルケア)においては家族の中の“悪者探し”をするのではなく、家族の中に降りかかってきた災禍の目的や意味について、超越的・信仰的な観点から考え直そうとする治療方針を立てる中で、このような治療方法を家族の一人一人に対して試みようとする時、身体的、精神的、社会的援助を行う際の理論的根拠である因果論的思考を、目的論的意味論的思考へと変える必要があり、その時援助者は、基本的なパラダイム(認識のための枠組み)の変換を迫られる]]事だと提案します。著者が、家族療法の中にこのようなスピリチュアルケアの導入を考えた理由を二つ挙げます。



 第一は、[[第四回日本伝道会議共生委員会アンケート調査報告書」(中島秀一委員長、二千年六月二九日)が示す結果によります。ここで行われたアンケート結果によると(一九九九年三月郵送により千九百教会に配布、回収三九三教会、回収率二一.三%)、過去五年間に九〇%の教会が障害者と出会い、受け入れている事実があるそうです。その障害者の中で最も教会出席率が高いのが、精神障がい者(六七%)だそうです。そして教会が最後の支援者となって、平山氏のところに教会から紹介されてくる場合が実に多いそうです。患者の家族は、いろいろな施設や病院を訪ね歩くのですが、どれも納得がいかず、最後に教会を尋ね平山氏の病院へ来られる場合が多いそうです。



 第二は、2000年5月に起こった西武バスジャック事件だそうです。この少年について三人の精神科医がそれぞれに違った判断をしています。一人は、精神分裂病(統合失調症)だからすぐに、そして長期の入院が必要であるとし、もう一人の直接あって簡易鑑定した医師は、短期間では何も判断できないとしています。また別の精神科医で評論家は、全く正常であって、入院させるべきではないと主張したのでした。



 このように最近では、精神鑑定によって診断を下しにくいケースが実に多く出てきているというのです。それは、今までの因果論的な思考が通用しないということだと言います。この犯人の場合、日本精神病院協会の仙波恒男会長によれば、精神病ではなく、行為障害であって精神医療の対象からはずすべきだとしています。



 このように多くの判断の違いがある中で、本人とその家族は、心の専門家である精神科医やケースワーカー、看護士、保健士、臨床心理士、教師などをさしおいて、あるいはこうした専門家の対応では問題解決せず、多くの精神障がい者が教会の門を叩くという思い現実があるので、著者たちは、このような事例に対して、スピリチュアルケアが重要であると強調しておられるのです。

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