1.家族内での悪者探しについての問題

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1.家族内での悪者探しについての問題



 「現代の日本では、家族機能が崩壊しつつあるという指摘が多い。事実、不登校者数や、児童虐待数の増加、十代女子の人工妊娠中絶数の増加、家族内暴力の増加、青少年の凶悪犯罪の増加、夫婦間暴力や育児ノイローゼ患者の増加、中高年の離婚、壮年男子のリストラや過労による自殺者の増加、老人(今日ではホームレス者への暴力、幼児への性的ないたずら、なども上げられる)虐待の増加、などといった事実が毎日のように新聞で報道されている。



 そして、その多くが、家庭内に原因があると論評する識者が多い。そして、「機能不全家族」「仮面夫婦」「家庭内離婚」「アダルトチュルドレン(よい子であり続ける子供たち)」といったキーワードが市民権を獲得しつつある。こうした病理的な家族がどうして出来上がったのか、その原因探しが、これまた有識者の間ではじまっている。曰く、子どもには過剰な期待を持ち、教育に熱心な親が無理に勉強ばかりさせるからだ。」「父親が仕事に忙しく、子どもと十分に接する時間がなかったからだ」「母親が未成熟で過保護、過干渉だった」「夫婦の対話時間が少ない」「親の子どもに対する躾がなっていない」等等。



 確かにいわゆる、病理的な家族に対する識者のこうした批判は、それなりに説得力を持っている。しかし、家庭内のこうした、悪者探しの結果、血祭りに上がった親や子供たちが、今悲鳴を上げ始めている。これまで、教育者やカウンセラーや精神科医がこのような悪者探し、原因探し、によって問題解決できると考えてきた。しかし、本稿では、それだけでよいのかと問い掛けたい。我々はかつて、心の癒しの為には、因果論から目的論へ思考の転換を図る必要があるという事を指摘した事がある。やんだ家族を癒すためには、因果論とは別の発想が必要なのではないか。従来の家族療法でよく用いられる家族の中に悪者を探し回る因果論的な味方とは異なったパラダイム(認識の為の枠組み)を導入する事によって病んだ家族を癒す可能性を模索する事が、本稿の目的である。」

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