御言葉メール930
2018年5月(記:辻嵐桂子)
あなたがたは第五十年目を聖別し、国中のすべての住民に解放を宣言する。これはあなたがたのヨベルの年である。あなたがたはそれぞれ自分の所有地に帰り、それぞれ自分の家族のもとに帰らなければならない。(レビ記25章10節)
旧約聖書には、安息日の規定の他に、7年毎に畑を休耕地とする、安息の年の規定があり、さらに、7回目の安息の年の翌年、すなわち第50年目に、ヨベルの年というのが制定さている。
ヨベルの年には、安息の年に引き続き種蒔きも刈り入れも禁じられたが、これを遵守するなら、神の祝福による豊作が約束されていた(18- 22節)。
また、ヨベルの年は贖罪の日に始まり(9節)、あらゆる負債が帳消しにされ、奴隷は解放され、売却された土地は、本来の所有者に返還される。
こうして各部族の代々の相続地は回復され(民数記36章8節参照)、すべてのイスラエル人が、社会的にも、本来の神との契約的立場を回復するのである。
約束の地において、この規定が恒に忠実に執行されることはなかった。イスラエルの民は神に背き、結果異民族によって侵略される歴史をたどった。
だが神はイスラエルを滅ぼし尽くすことはせず、残りの民の回復を約束された。
大いなるヨベルの年同様、人々を抑圧から解放する主の恵みの年が訪れると、預言者イザヤは語っている(イザヤ書61章1-2節)。
この御言葉が真に実現したのは、神の御子がこの地上で宣教を開始された時であった(ルカの福音書4章17-21節参照)。
私たちは主イエスの贖いの御業によって、絶望的な罪の縄目から解放されたのである。