御言葉メール777
2015年5月2日(記:斎藤文子)
「あなたの行かれる所へ私も行き、あなたの住まれる所に私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。」(ルツ1の16)
ルツの物語は嫁、姑、夫婦がお互いの幸せを願う思いやりで満ちています。難しい家族関係の中で、何故この様な人間関係を築く事ができたでしょうか。ユダのベツレヘムに住んでいたナオミは、飢饉のため、夫と二人の息子と共にモアブの地にやってきました。
その地で夫と二人の息子が死に、残ったのはナオミと二人の息子の嫁でした。飢饉が収まったと聞き、ナオミは郷里に帰ろうとします。その時、二人の嫁にモアブの自分の家に帰る様に強く勧め、弟嫁は帰りますが兄嫁であるルツは、ナオミに一緒に行かせて欲しいとすがりつきます。それが冒頭の言葉です。この時ルツは異教のモアブ人であるけれど、イスラエル人と結婚したことで、唯一の神信仰に導かれていることがわかります。
ルツはナオミに仕えたい、力になりたいという思いに溢れ、楽な生活や結婚ではなく、ナオミのために生きるという決断をした。この決断をさせたのはナオミが信じる神を自分の神とする信仰でした。人間の罪は自分の事しか考えなくさせる。しかしそんな人間でも神を信頼する歩みは、人のために生きる事を教える。ルツの物語はその幸いを教えるものではないでしょうか。やがてルツは姑ナオミの祈りの中で幸せな結婚をしていきます。