御言葉メール908
2017年11月4日(記:辻嵐桂子)
もし彼女が羊を買う余裕がなければ、二羽の山鳩か、二羽の家鳩のひなを取り、一羽は全焼のいけにえとし、もう一羽は罪のためのいけにえとしなさい。祭司は彼女のために贖いをする。彼女はきよめられる。(レビ記12章8節)
12章では出産後のきよめについて述べられている。
これは子どもの出産そのものを汚れと見なしているのではなく、12章から15章は身体的汚れに関する規定で、特に体の分泌について取り扱っている。
母親を汚れたものとするのは、分娩に伴う分泌物の結果であった。
汚れの明けるまで(すなわち聖所での礼拝が許されるまで)、母親は一定の謹慎期間を経(男児なら40日女児なら80日)、いけにえをささげることできよめは完成した。
この場合、全焼のいけにえは通常一歳の子羊であった。だが子羊を調達できない場合は、山鳩か家鳩のひなをもう一羽、代わりにささげることができた。
家鳩は一年中パレスチナの至る地域に生息し、比較的安価で入手できたという。
新約聖書で、イエス・キリストの誕生の際、最初に神殿を訪れた時の記事の中で、モーセの律法について山鳩或いは家鳩に言及されている(ルカ2:22-24参照)ことから、私たちの主が当時、貧しい家庭にお生まれになったことがわかる。
そもそも出産後のきよめの期間は、産後の母体の健康を保護するという側面もあった。
神の律法は、あらゆる知恵に富み、至るところに貧しき者、弱き者への配慮が溢れている。
神のご命令は、私たちを縛るためのものではなく、まさに、私たちを安全に生かすためのものなのである。