御言葉メール988
※歴史的記述に誤りがあったので、訂正させていただきます。
ニカイア公会議はAD325年、カルケドン会議はAD451年でした。
失礼しました。
2019年8月10日(記:辻嵐桂子)
ところが、パリサイ派の者で信者になった人たちが立ち上がり、『異邦人にも割礼を受けさせ、モーセの律法を守るよう命じるべきである』と言った。
そこで使徒たちと長老たちは、この問題について協議するために集まった。(使徒の働き15章5-6節)
初期のキリスト教会は、いくつかの重要な教理を確立するのに、教会会議を開いた。
4世紀のニカイア公会議(三位一体)や、5世紀のカルケドン会議(二性一人格)などがそれである。
誤解してはならないのは、キリスト教の重要な教理が、闘争や人間同士の話し合いで決定されたのではないということである。
あくまで教会は聖書を基準とし、使徒たちの教えを確認し、互いに一致した見解を持つための会議であった。
使徒の働き15章には、歴史上最初の教会会議であるエルサレム会議の経緯が記されている。
ここで争点になったのは、異邦人クリスチャンも神の律法を守るべきか否かということであった。
ユダヤ人クリスチャンにとっては、たとえクリスチャンになっても、旧約の律法(贖罪の儀式は別として)は決して侵してはならないものであったからである(使徒10章14節等参照)。
これは新約聖書が書かれる以前の出来事であったが、神は聖霊が与えられるという確かなしるしをもって、律法を持たない異邦人もイエス・キリストへの信仰によって救われることを明らかにされた(8-9節)。
この会議では、律法を持っ者も持たない者も等しく、救いはただ主イエス・キリストの恵みによるということが確認された。まさに福音の根幹である。
これを踏まえつつ、この会議の決定は、神のきよさと、他者を配慮する教会のあり方が示されている(20-21節)。
クリスチャンとしての基本に、私たちを立ち返らせてくれるところである。